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    きーさん 添乗員日記
 
 
北陸中日新聞
      に掲載中
過去の記事
  ベトナムは今<1>
初添乗のころ<2>
長江横断遠泳大会<3>
ワインのお返し<4>
夫婦円満旅行の誕生<5>
沈まぬ太陽<6>
キーウエストの神風<7>
・五番街ティファニー<8>
『ルンビニー園』<9>
機長と社長<10>
海の都で<11>
動物漫才<12>
ロードサイド店<13>
危機一髪?<14>
新入り操縦士<15>
スキーツアー企画<16>
『ほのぼの旅行』<17>
出向を命ず<18>
ハイジャックに<19>
シンデレラ城<20>
休息とお祭りの島<21>
国際結婚<22>
ハイティー<23>
オリンピック<24>
買い物<25>
アスワンでの母娘<26>
ルクソールの休日<27>
大失敗の巻き<28>
自由行動日<29>
香港に始まって<30>



 

五番街ティファニー

冬のニューヨークは、三方が海に囲まれている関係で大変寒い。

蒸気の配給管が地下に埋設されており、
ところどころ道路上にその蒸気が吹き出している。
この時期の風物詩だ。

1991年(平成3年)の2月、
セントラルパーク近くの五番街にある、ティファニー本店にいた。
当時、大変人気のあった
銀のオープンハートネックレス
団体のお客様がお土産として30個買いたいと言われ案内したときのこと―――

この商品は日本でもなかなか手に入りにくく、
ニューヨーク本店でも数を制限していた。

そこで、JTBニューヨーク支店からティファニーに
トラバーユした旧知のA女史に頼もうと、
社員通用口でガードマンに厳重なチェックを受け、4階の外商部を訪ねた。
しばらくして、水色の小さな箱に白いリボンをかけた30個を受け取り、ホテルに戻った。

夕食を済ませて部屋にいると、
リリーンとA女史から電話が入った。

北河さん!大変
 銀と金を間違えて包装したらしい。
 売り子とガードマンをそちらへ向かわせます。」

お客様と待機していると、ピストルを越にした映画から抜け出してきたようなガードマンと泣きそうな顔の女性の売り子が部屋に来て、恐縮しながら小箱を開いて点検しだした。
何と30個中27個が金だった。
金は銀の約10倍の売価だった。

ティファニーの売り物は連日、日本人客で2重3重の人垣ができるほど盛況。その中での勘違いだったようだ。


最近のA女史からのクリスマスカードには、
バブルがはじけた後は日本人客のブランド品指向も薄れ、堅実になってきており、景気が良くないと書かれていた。

日本人旅行客の価値観も多様化し、
流行に惑わされない独自の楽しみ方を身に着けてきている。
最近のニューヨークでは瓶の王冠をネックレスにしたものが大流行だとか。
変われば変わるものだ。

旅行は続けられ、
その後の冬のカナディアンロッキーを体験するため、
カナダのトロントを経由、カルガリーに入った。
バンフからの山並み=筆者撮影
バンフスプリングホテルに1泊した翌朝、
ホテルから見た朝日に映えピンク色に染まった山並みは、
夏とは違った凛とした趣きでわれわれを迎えてくれた。

寒い時に寒い所へ旅をする―――
これまた旅の醍醐味だ。


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